こんにちは😀広瀬ユキです。
今回は、「有名すぎる文学作品をだいたい10ページくらいの漫画で読む。」を読んだ感想を書こうと思います。
有名すぎる文学作品をだいたい10ページくらいの漫画で読む。
基本情報
タイトル | 有名すぎる文学作品をだいたい10ページくらいの漫画で読む。 |
著者 | ドリヤス工場 |
発行所 | 株式会社リイド社 |
発行日 | 2015年9月17日 |
感想
コチラの本は前から気になっていたので、買って読んでみました。一時期テレビに取り上げられたり、話題になった本ですよね。誰もがタイトルだけは聞いたことがある、知っている作品ばかりが収録されています。収録されている作品は、以下の全25作品です。
- 太宰治「人間失格」
- 中島敦「山月記」
- 梶井基次郎「檸檬」
- 森鴎外「舞姫」
- 坂口安吾「桜の森の満開の下」
- フランツ・カフカ「変身」
- 宮沢賢治「注文の多い料理店」
- 永井荷風「ぼく東綺譚」
- 泉鏡花「高野聖」
- 夏目漱石「三四郎」
- アンデルセン「雪の女王」
- 芥川龍之介「羅生門」
- 田山花袋「蒲団」
- 幸田露伴「五重塔」
- 新美南吉「ごん狐」
- 樋口一葉「たけくらべ」
- 魯迅「阿Q正伝」
- 伊藤左千夫「野菊の墓」
- トルストイ「イワンのばか」
- エドガー・アラン・ポー「モルグ街の殺人」
- 菊池寛「恩讐の彼方に」
- 二葉亭四迷「浮雲」
- グリム兄弟「ラプンツェル」
- 夢野久作「ドグラ・マグラ」
- 堀辰雄「風立ちぬ」(単行本描き下ろし)
私は文学作品には疎いですが、この中でタイトルを知らなかった作品は3作品です。主に、義務教育や高校生の教科書に一部抜粋して載っているような作品ばかりが収録されていると思いました。
この本を収録するにあたり、大変だろうなと思う点は、短編作品も長編作品もどちらも10ページで収めている点です。自分が著者だとしたら、長編作品はどこを端折るべきかすごく悩むと思います。そのことに関しては、”あとがき”に著者が記しています。
読者の視点からの感想は、文学作品の流れをつかめるので、25作品を一気に読んだ気になれるような本です。だいたいしっかり読んでも、記憶に残るのはこの本にまとめてあるような内容だろうなぁと思うと、一気に読めるのはお得感がありますね。しかし、原作の細かい描写などはやはり感じ取れない部分があるので、この本の中で興味を持った作品の原作を読んでみるのが良いと思います。そういう意味では、どの本を読もうか迷っているなら、この本を読んでから興味のある原作に手を伸ばすのが良いかもしれません。
一見、子供用かな?と思いがちですが、”10ページに収められている”ことと”漫画”という以外、すなわち文体は原作に近い表現で書かれています。なので、昔の文体で書かれているので、小学生にはちょっと分かりづらい表現があります。
たとえば・・・
いざお切りなされい 罪亡しに堀り穿いたこの洞門の人注となり申さば思い残すこともござりませぬ
(中略)
この刳貫の通じ申す間了解様のお命を我らに預けては下さらぬか
ドリヤス工場『有名すぎる文学作品をだいたい10ページくらいの漫画で読む。』株式会社リイド社,2015年,p.217
と、このように、普段見ない漢字や文体で書かれています。日本語なので雰囲気は分かるけど、んんん???と一瞬考えてしまいます。また、昔の文体あるあるだと思うんですが、YESかNOか迷う箇所もときどきあります。現代語に完全に訳すのではなく、原作の雰囲気を残してあるので大人も楽しめると思います。
また、2015年に発売されたこの「有名すぎる文学作品をだいたい10ページくらいの漫画で読む。」はシリーズ化されており、2016年に「定番すぎる文学作品をだいたい10ページの漫画で読む。」、2017年には「必修すぎる文学作品をだいたい10ページくらいの漫画で読む。」が発売されているので、読んでみてはいかがでしょうか?😀

オススメ度
編集後記
「定番すぎる文学作品をだいたい10ページの漫画で読む。」と「必修すぎる文学作品をだいたい10ページくらいの漫画で読む。」も読んでみたいですね。


